コンパクトなラック

一階の冷房は床のあちこちに小さな吹き出し口を作り、そこから冷風が来るようにしました。
地下室に大型GEの室内機を設置し、室外機は煉瓦の壁をわざわざそれ用に窪ませて、最初から入れ込みました。 英国は夏でも涼しい国なので、一般家庭では冷房装置はありません。
暖房は都市ではほとんどの家庭がスチームのセントラルヒーティング、ロンドンあたりの中クラス以上のフラットはほぼ百パーセントがセントラルヒーティングです。 地方都市や田舎に行くオープンフアイアと、まだまだ無煙炭や薪の暖炉のある家が珍しくありません。

寒いことさえ我慢すれば、それはそれで風情のある眺めです。 私も二階のゲスト用の部屋(仕事の打ち合わせや、アメリカに住んでいる姉が帰ったときに使っています)は、隅を煉瓦で囲ってストーブを置いています。
薪を燃やすフランス製のアンティークで、上蓋を取るとクッキング用になるストーブです。 部屋には余計な飾りを置かず壁をそのまま見せること、いつもきちんと掃除をしておくことが、部屋を落ちつきます。
白漆喰の壁や拭きこんだ床など、いちばん面積の多い場所の手入れを怠らないことが、居心地のいい空間を作る第一の条件だと思います。 居心地のいい家具を数少なく、ていねいに使う二階の個室は十五畳ほどの広さ、この部屋は英国の僧院をイメージして作りました。
東南に小さな窓が四個。 ジョージアン風の小さな窓で、内側にグリーンの板戸がついています。
カーテンはつけていません。 僧院の窓にもカーテンはなく、板戸がついていて、板戸の角度を変えることで光を調節します。
ここの窓からは東京タワーが小さく見えます。 夕暮れどきに、あたりが薄暗くなって、タワーに光が灯るのを眺めるのが大好きです。
春には窓からご近所の桜の花びらが舞い込み、鴬の鳴き声も聞こえます床はコルク材で、大小カーペットを二枚、部分敷きに使っています。 人生には腰掛けやすい椅子が一脚あればいい。
というのが私の家具に対する持論です。 椅子のデザインは、椅子とのつきあいの長いョ−ロッパにはかないません。
何しろベッドに入るまで、立っているか椅子に座わる生活なのですから。 壁に時計が一個と、アンティークビーズのパーティー用バッグ。
家具は椅子と文机、書棚だけ。 書棚は、横三メートル八○センチ、高さ一メートル七○センチ。


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